17歳スタメン、15歳デビューで快勝した永井ヴェルディの未来戦略 (3ページ目)
永井はこの開幕戦で、大きなサプライズをふたつ用意していた。ひとつ目は、17歳、高校2年生の阿野真拓(まひろ)をスタメン起用したこと。そして、もうひとつは、試合2日前に2種登録の承認を受けたばかりの15歳、中学3年生の橋本陸斗をベンチメンバーに入れたことだ。そして、ふたりとも永井の期待に応える活躍を見せた。
阿野は90分フル出場し、攻撃でのドリブルやチャンスメイクで実力を発揮しただけでなく、課題だった守備でも安定したプレーを随所に見せた。一方橋本は、後半34分にピッチに投入されJリーグデビューを飾ると、スピードに乗ったドリブルで臆することなく攻撃を仕掛け、プロ初シュートも放った。
永井は日頃から「ヴェルディの未来をつくるのは若い選手たち」と話す。そういう意味でも、阿野の先発フル出場と橋本のデビューは、ヴェルディ再建に情熱を注ぐ永井の意思表示でもあった。
しかし、もし負けていれば批判の矢面に立たされたかもしれない。批判も覚悟の上で起用した理由は、気にかけ続けていたある後悔があったからだ。永井にとっては、勝利という結果以上に、そちらのほうが気がかりだった。
話は2年半前、永井がユースからトップチーム監督に就任した直後に遡る。
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