17歳スタメン、15歳デビューで快勝した永井ヴェルディの未来戦略 (2ページ目)
スペインリーグでの経験も豊富なミゲル・アンヘル・ロティーナは、2017シーズンにヴェルディの監督に就任して来日すると、2年連続でJ1昇格にあと一歩まで導いた。2019シーズン、J1のセレッソ大阪に移籍してからも、同年5位、昨シーズンも4位という好成績を残した。
今シーズンからはその手腕を買われ、清水エスパルスの立て直しを期待されて指揮を執ることになった。そんな名伯楽が率いるJ1クラブ相手に互角以上の戦いができたことは、永井だけでなく選手にとっても大きな自信につながった。
開幕戦に向けて、永井は昨シーズンの反省を生かし、限られた時間や戦力の中で最大限できる準備を重ねた。いずれの得点も突出した個の力で相手の守備を崩すのではなく、組織全体で丁寧にボールを繋ぎ、相手の隙間を見つけることで奪った。
「まだまだ、決めなければいけないシーンもあった」と完勝にも満足することはないが、トップチーム監督就任から2年半、いや、ユース監督時代から伝え続けてきた「全員攻撃、全員守備でゲームを支配し、相手を圧倒して勝つ」という永井が思い描くサッカーの下絵に、美しい彩色が始まったような感覚を覚えた。
「(小池)純輝は古巣相手で、当然、モチベーションは上がる。迷うことなくキャプテンを任せた。今年で34歳になるのかな。でも何歳になろうが、もっとうまくなりたい、という向上心を持っている。ボールの運び方もよかったし、本当にすばらしかった。まだまだ上達するはず。
試合前に純輝がキャプテンとしてメンバーに伝えたのは、『我々がしているサッカーの価値を、日本中に知らしめよう』。あとは『我々のすばらしい仲間のために戦おう』という、このふたつ。
良い形でシーズンのスタートを切れたが、我々は完成されたチームではない。これからも1試合、1試合、戦い続けながら成長し、勝ち続けることが大切だと考えている」
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