2021.03.05

17歳スタメン、15歳デビューで快勝した永井ヴェルディの未来戦略

  • 会津泰成●取材・文 text by Aizu Yasunari
  • photo by Getty Images

永井秀樹 ヴェルディ再建への道
トップチーム監督編(21)

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 2021年2月28日(日)、永井秀樹はトップチーム監督として2度目のJリーグ開幕を迎えた。シーズンオフは経営問題に揺れ、井上潮音(しおん)、藤田譲瑠(ジョエル)チマといった手塩にかけて育てた若手がJ1クラブに移籍。さらに、守備の中心だった近藤直也が引退し、大久保嘉人、河野広貴、高橋祥平もチームを去った。

開幕戦に途中出場を果たし、J2最年少出場記録を更新した橋本陸斗 復帰した梶川諒太、加藤弘堅など、ヴェルディのサッカーにすぐ順応できそうな選手の補強はしたものの、ゴールを奪う、という最後の仕事のキーマンになるような選手は獲得できていない。各メディアのJ2順位予想でも、ヴェルディ をJ1昇格候補に挙げる解説者は皆無で、J3降格を危惧する声もあった。

「ある意味、今シーズンは注目されていない、期待されていない、ネガティブな話が多かった」と永井。

 しかし、ヴェルディは、ケガで開幕戦に間に合わなかった平智広に代わりキャプテンマークを巻いた小池純輝が、古巣の愛媛FC相手に前半で2ゴールを決めた。さらに後半、永井がユース監督時代から指導し「将来、必ずA代表に入れる逸材」と期待を寄せる山本理仁がダメ押しの3点目を奪い、3−0で開幕戦を勝利で飾った。

「潮音やジョエルが移籍し、キャプテンの平や、攻撃を担う山下諒也や森田晃樹、井出遥也といった主力にケガ人も出ていて正直苦しい台所事情だった。ただ、チームの始動から綿密にプランニングして積み上げて、形として成果も現れていたので不安はなかった。

 昨シーズンのチーム始動から開幕戦を迎えるまでの準備の失敗から学んだことが大きい。キャンプの集大成として、ロティーナさんが指揮を執るJ1の清水エスパルスと試合をさせていただき、非常にいい内容で戦えた。ロティーナさんからも『後半に関しては、ほとんどヴェルディにボールを持たれて何もできなかった。いいサッカーだ』とお褒めの言葉をいただいた。

 半分は社交辞令かもしれないし、本当は課題を伺いたかった。それでも、ヴェルディをよく知るロティーナさんの言葉で、今まで自分たちが積み上げてきたこと、準備の仕方が間違っていなかったのだと、あらためて確信できた」