佐藤寿人が選ぶ日本人FWベスト5。「あのシュートは何度もマネした」 (4ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 カズさんはゴールだけじゃなくて、魂を感じる選手。やることすべてがかっこよかった。小学校の頃は、僕もカズダンスを踊ってましたね(笑)。

 ちなみに、僕がセレッソに行った時の背番号が24番だったんです。11番に空きがなかったので24番になったんですが、カズさんの番号だと思いながらプレーしていましたよ。

◆欧州でプレーする姿が見たかった。海を渡らなかったJリーガーたち>>

 印象に残っているのは、1994年ワールドカップ・アジア1次予選のタイ戦(1993年4月8日)で決めたゴール。小刻みにステップを踏んで浮き球のパスに合わせて、左足を振り抜いたシュートです。あのシュートがかっこよくて、何度もマネしましたね。それと同じようなシュートをサガン鳥栖戦で決めた時はうれしかったですね。子どもの頃の練習の成果を大人になって出せました(笑)。

 カズさんには、今でも会ったら緊張します。カズさんは毎年グアムで自主トレをしていますが、僕もグアムで自主トレをする時期がありました。

 その時にカズさんと一緒にトレーニングすることもあって、よく話をしましたね。当時はサンフレッチェが優勝をしていた頃だったんですが、「どういう練習してるの?」って聞いてくるんです。あれだけキャリアがあるのに、それでも貪欲に吸収しようとしている。その姿勢には驚かされましたね。

 あの年齢で選手としてやっているのもそうですけど、選手としてピッチに立つまでの努力が何よりすごいこと。すべてにおいて一切、妥協を許さず、サッカー選手のための生活サイクルを送っているんです。

 辞めたほうがはるかに楽だし、稼げるでしょう。それでも、選手であり続けようとしている。普通は無理ですよ。あの生活を続けるのは。信じられないし、かっこよすぎます! まさか、僕が先に辞めることになるとは......。

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