佐藤寿人が選ぶ日本人FWベスト5。「あのシュートは何度もマネした」

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

『特集:Jリーグが好きだっ! 2021』

 2月26日に開幕するJリーグ。スポルティーバでは、今年のサッカー観戦が面白くなる、熱くなる記事を随時配信。さまざまな視点からJリーグの魅力を猛烈アピールする!

 昨シーズン限りで21年間の現役生活に幕を下ろした佐藤寿人。歴代トップとなるJリーグ通算220得点を記録したレジェンドストライカーは、現役時代から多くの試合をチェックしてきた「Jリーグウォッチャー」としても名を馳せる。そんな佐藤が、Jリーグ史において最も優れていると思うストライカーとは誰か? 自身の経験と知見をもとに、最強の5人を選んでもらった。

佐藤寿人氏が選んだ5人の日本人ストライカーとは?佐藤寿人氏が選んだ5人の日本人ストライカーとは?【1】大久保嘉人

 J1で一番点を取っていることがすべてですね。嘉人はヴィッセル時代に2列目をやっていた時期もありますけど、純粋にストライカーとしてプレーし続けていれば、とっくにJ1で200ゴールは取っていたと思います(現在185ゴール)。

 やんちゃな性格で、プレーも本能的なタイプだと思われていますけど、実は嘉人はサッカーIQがかなり高い。プレーを見ていると、そうとう頭を使っていることがわかります。

 ゴールを奪うために、どうやって動き、どうやって味方とプレーを共有していくのか......。オフ・ザ・ボールの動きに注目すると、嘉人の頭のよさがわかると思いますよ。

 もちろん、彼の場合は自らの力でシュートを打つ空間やタイミングを作れるけど、味方とそれを作り出して決めることのほうが多い。だから、連動性を求められたフロンターレで、あれだけ点を取れたんです。

 シュートのパンチ力もあって、ゴールのパターンも豊富。僕とは全然タイプが違うので、うらやましい部分もあります。3年連続得点王(2013年〜2015年)なんて、普通できませんよ。間違いなくナンバーワンのストライカーでしょう。

【2】興梠慎三

 プレースタイルが好きですね。僕も慎三も「ミシャチルドレン」ですから。ふたりともミハイロ・ペトロヴィッチ監督の指導を受けて、よりストライカーとして結果を出せるようになった。僕もそうですけど、慎三もミシャの指導を受けてなければ、ここまで点を取れる選手にはなれていなかったと思います。

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