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佐藤寿人が選ぶ日本人FWベスト5。「あのシュートは何度もマネした」 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 若い頃は2列目のようなタイプの選手でしたよね。間で受けて、ターンして、前を向くプレーがうまかった。そこを特長にプロの世界に入ったと思うんですが、アントラーズで学んで、レッズで開花した。その意味では、遅咲きの選手なのかもしれません。

 慎三の場合は、点も取れるけど、起点となるプレーもできる。身体が強いというよりも、使い方がうまいんですよね。そんなに大きくないのに、あれだけボールが収まるのはすごいと思います。

 でもやっぱり、一番の強みは得点を取れること。常にゴールを意識して、プレーの優先順位を判断していると思います。だから、いいポジションを取れたり、いいところに入っていける。味方の特徴を理解して、ボールを呼び込むことができるんです。あとは、背中を取る動きにも長けていますね。

 J1通算得点数も今年中に抜かれるんじゃないですか。僕が161で、慎三が157なので、あと4点。抜かれたくない? いや、抜かないといけないでしょう。それに、抜かれる時にまた僕の名前がメディアに出てくるので、ぜひがんばってもらいたい(笑)。

(記録を抜いてくれる選手は)慎三のあとは(小林)悠くらいかな。若い選手はどんどん海外に行っちゃうので。慎三や悠が、国内でプレーし続ける最後の世代なんじゃないでしょうか。

【3】中山雅史

 ゴンさんは、ゴールを奪うヒントをたくさんくれた人。当時のジュビロが強くて、いいパサーがたくさんいたからゴールが取れたと思っている人もいるかもしれないですけど、そうじゃなくて、あれはゴンさんがボールをしっかりと呼び込んでいたから。

 もちろん、シュート技術も高かった。そうじゃなければ、あれだけの数字は残せません。

 プロの世界に入ってすぐの頃、同期のアベちゃん(阿部勇樹)がゴンさんのプレーに驚いていたことを覚えています。「全然、掴めない。常にいい位置でシュートを打たれちゃう」って。プロに入りたての選手にとって、衝撃的だったんでしょう。

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