今季「J1全順位」を改めて予想。急浮上、急降下するチームはあるか (2ページ目)

  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

頂点に立つのは、川崎か横浜FMか。
鹿島は常勝軍団の呪縛にハマった印象

杉山茂樹氏(スポーツライター)

 よいサッカーをしたチームが優勝する。とすれば、川崎フロンターレを1番手に推したくなる。鬼木達監督就任4シーズン目の今季は、優勝した2017年、2018年、さらに言えば、風間八宏監督時代より、いいサッカーをしている。

 昨季、よりよいサッカーをした横浜F・マリノスが優勝。川崎は4位に後退した。チームは下り坂にさしかかったかに見えたが、実際はそうではなく、逆にサッカーの質をワンランク上げた印象だ。長年見てきたなかで、今季のサッカーが一番いい。

 しかし、横浜FMとの差は僅かだ。川崎がよいサッカーを最後まで貫いても、競り負ける可能性は排除できない。今季のJリーグは、両者が競り合う展開になると見る。

 優勝した昨季に比べると、サッカーはまだ雑然としているが、横浜FMは選手層が厚くなり、選択肢が増えている。余力を感じさせる。

 川崎か横浜FMか。よいサッカーをしたほうが優勝すると思いたい。

 3番手はFC東京。昨季、横浜FMに競り負けて2位に終わり、雪辱を期して臨む今季、レアンドロとアダイウトンを獲得。決定力を高めているが、それは言い換えれば、外国人選手のポテンシャルに頼るサッカーだ。

 川崎、横浜FMとは若干異なる。よくいえば縦に速いサッカーだが......。その一方で、橋本拳人を放出することになった。痛手になると見る。

 4番手以降は混戦。名古屋グランパス、浦和レッズの"金満系クラブ"は順位を上げそうだが、開幕4連敗を喫した鹿島アントラーズは、大幅に順位を落としそうだ。「常勝軍団」の呪縛にハマり込んでいる印象。監督交代も裏目に出ている。病状は重いと診る。

 今季は降格がない。残留争いのないシーズンだ。その点をどこまで割り切って戦えるか。順位にこだわるチームより、こだわらずのびのびと戦ったチームのほうが、結果として上にくると思う。 

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