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今季「J1全順位」を改めて予想。
急浮上、急降下するチームはあるか (5ページ目)

  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

外国人助っ人は質・量ともにリーグ1。
選手層厚い浦和が異例のシーズンを制す

中山 淳氏(サッカージャーナリスト)

 約4カ月の中断と、新たに決まった超過密日程は、通常のシーズンとは異なる、さまざま現象を引き起こすことは間違いないだろう。

 とくに、10月下旬から集中開催で行なわれるAFCチャンピオンズリーグに臨む3チームは、日程がより過密になるため、大きなハンデを背負うことになる。開幕前に優勝と予想したFC東京をはじめ、横浜F・マリノス、ヴィッセル神戸が最後に笑うことになったら、それは"奇跡"以外の何物でもない。

 そこで急浮上してくるのが、新外国人選手が大当たりした浦和レッズだ。点取り屋レオナルドの活躍は想定内として、当初はフィットするまでに時間がかかると見られていたDFトーマス・デンの、再開後のパフォーマンスの高さは、チームにとってはうれしい誤算と言える。

 そのほか、DFマウリシオ、MFエヴェルトン、MFマルティノス、FWファブリシオと、外国人助っ人に関しては、質・量ともにリーグ屈指。日本人選手も含めた選手層の厚さは申し分ない。

 たしかに、チームのクオリティと完成度は、川崎フロンターレに軍配が上がるが、東日本大震災があった2011年は、昇格組の柏レイソルが優勝。それと同じく、"異例のシーズンは予想外の結果"が待ち受けているとすれば、浦和の優勝の目は十分にあるはずだ。

 チーム戦術を変えながら、世代交代を推し進める大槻毅監督が、豊富な戦力をうまく使い回すことができるかどうかが、最大の課題であり、見どころでもある。

 一方、再開後に大きく"株価"を下げたのが、鹿島アントラーズだ。中断期間を上手に利用できなかったのか、アントニオ・カルロス・ザーゴ監督のサッカーが浸透している様子はなく、内部に不満が溜まれば、途中解任も考えられる。

 その鹿島を含め、今季は「降格なし」という特別ルールがあるため、序盤に競争から離脱すると、そのチームは坂を転がり落ちるように、一気に下位に低迷する可能性は高い。その意味で、優勝争いにとどまる上位チームと、それ以外の下位チームとが、例年よりも早い段階で2つに割れることになるだろう。

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