2020.07.17

強さと美しさを備えたヴェルディが完勝。
名門復活への足音が聞こえた

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

◆永井秀樹監督が語る「ヴェルディの戦術」はこちら>>

 思わずため息が出るような、美しいゴールの連続だった。

 J2はもちろん、J1の試合でも、これほど華麗な”ゴールショー”は滅多にお目にかかれないのではないだろうか。

 J2第5節、東京ヴェルディはヴァンフォーレ甲府に4-2で勝ち、今季初勝利を手にした。

 前節までの4試合は、2敗2分け。ボール保持率では相手を圧倒するものの、それが結果に結びつかない。消化不良の試合が続くなかで、ようやく手にした勝ち点3だった。

「ここ何試合か、ずっとやりたいサッカーはできていた」

 昨季途中での就任以来、徹底してポゼッション重視のスタイルにこだわってきた永井秀樹監督は、これまでの試合についてそう語る。

 勝てなかった試合にもかかわらず、そんな言葉で振り返ることができるのは、自らが目指すサッカーのベースは浸透してきているという自負があればこそ、だろう。

 目指すサッカーのベースとは、永井監督の言葉を借りれば「型」。曰く、「70%以上(ボールを)保持するために、定位置を大事にしている」という。

 多くのパスをつなごうと思えば、ピッチ上の選手全員が”どこに立つか”が重要になる。それぞれの立ち位置はすべてが意味を持ってつながっていて、ひとりが間違えただけでも、全員の立ち位置の意味を無にしかねない。

 永井監督が「やりたいサッカーはできていた」と語る裏には、「選手がそれぞれの定位置を理解してプレーしている」という手応えがあったのだろう。

 ただし、その先に難題となって控えていたのは、「最後の崩しのところ」。永井監督は「自分自身も、選手も、もどかしいところがあった」と続ける。