佐藤寿人は「何とかしてくれる」。そのゴールは仲間を勇気づけた
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1993年〜2019年Jリーグ
『私のMVP』〜あの年の彼が一番輝いていた
第9回:2012年の佐藤寿人(サンフレッチェ広島/FW)
いつだったかは思い出せないが、佐藤寿人にエースストライカーの定義について聞いたことがある。
その時、彼は偉大なる先輩を例に挙げて、こう話してくれた。
エースとして広島を初のJ1優勝に導いた佐藤寿人「同じFWとして日本代表に選ばれていたタカさん(高原直泰)のプレーを見て、エースとはこういうものだというのを感じたんですよね。本当にすごかったんです」
日本代表がイビツァ・オシム監督に率いられていた2007年のアジアカップだった。メンバーに選ばれるも、ベンチスタートだった佐藤は、この大会でまざまざとエースストライカーの力強さを感じ取ったという。
高原はグループステージで3得点を挙げ、決勝トーナメント進出の立役者になる。さらに準々決勝のオーストラリア戦では、失点したわずか3分後、同点に追いつくゴールを決めて、チームを窮地から救った。
「あの人がゴールを決めると、周りが勇気づけられるというか。それくらい、ひとつのゴールに力があったんです」
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