「一生負け犬になる」かどうかの最終節。西澤明訓が放った強烈な輝き

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

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1993年〜2019年Jリーグ
『私のMVP』〜あの年の彼が一番輝いていた
第6回:2005年の西澤明訓(セレッソ大阪/FW)

 筆者が取材したなかで最もショッキングなゲームとして記憶されるのが、2005年のJ1リーグ最終節セレッソ大阪vsFC東京だ。

長きにわたってセレッソ大阪の主軸として活躍した西澤明訓長きにわたってセレッソ大阪の主軸として活躍した西澤明訓 12月3日、長居スタジアムで行なわれた一戦は、C大阪の初優勝がかかった大一番だった。

 当時、筆者はサッカー専門誌でC大阪の担当記者を務めており、複雑な気持ちで大阪に向かったのを覚えている。担当チームが優勝してほしいと願う一方で、本当に優勝してしまったら「大変なことになる」と怯えていたからだ。

「大変なこと」とは文字どおり、仕事が忙しくなってしまうということ。大量の原稿を書かなくてはいけなくなるし、優勝特別号も作らなくてはいけなくなる。まだまだ経験不足な当時の筆者にとって"キャパオーバー"は必至で、できることならその"大変な"状況は避けたいものだったのだ。

 この年のJ1リーグは、史上稀に見る大混戦だった。

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