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14年前、野洲の「高校サッカー史上
最も美しいゴール」が証明したもの (6ページ目)

  • 鈴木智之●取材・文 text by Suzuki Tomoyuki
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 自らのゴールで優勝に導いた瀧川は、「あのゴールは自分にとっての意味というよりも、周りの人にとっての意味のほうが大きかったんじゃないかなと思います」と振り返る。

「優勝したことによって、自分だけじゃなくて、(多くの選手が中学時代に所属した)セゾンFCもそうですし、野洲高でやってきたことが間違いじゃなかったと証明できたゴールだと思います。それを決めたのが、自分だったというだけで。ただ、それだけです」

 当時の野洲高校は「高校サッカーを変える」を合言葉に、テクニカルで攻撃的なサッカーを貫いてきた。あの頃の高校サッカー界では異質な取り組みであり、周囲からの風当たりは強かった。だが、彼らは自分たちのスタイルを曲げず、信じて突き進んだ。その先にあったのが決勝戦のゴールであり、日本一だった。

 伝説のゴールから14年が経った。瀧川は2019年より、母校のコーチに就任。野洲高の歴史をつくった男は、新たな1ページを刻もうとしている。
(つづく)

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