清水エスパルスの攻撃を司る、
20歳で無名の長身MFに目を奪われた (2ページ目)
試合は1-5。清水は川崎に大敗したが、サッカーそのものは、決して悪くなかった。川崎よりパスワークが冴えた時間もあった。
西村は、その起点になっていた。
ルヴァンカップには、U-21の選手を最低ひとり、スタメンで起用しなくてはならない決まりがある。清水にとって、西村はその該当者。試合開始当初は、U-21枠を満たすための要員か、くらいにしか思っていなかったが、気がつけば、筆者はこの日初めて名前を知った20歳のMFと、その対面で構える川崎の、五輪代表に名連ねる21歳のMF田中碧を比較していた。
その翌週に開幕したJ1リーグ。清水は、ホームのIAIスタジアム日本平にFC東京を迎えた。
シーズン前の下馬評は、清水が降格争い候補で、対するFC東京は、横浜F・マリノスとともに優勝候補に挙げられていた。
1-3という結果だけを眺めると、FC東京の順当勝ちに見える。実際、ディエゴ・オリヴェイラ、レアンドロ、アダイウトンの3トップは、終盤、爆発的なプレーを見せた。「FC東京、強し!」を印象づけた。
だが、清水も捨てたものではなかった。どちらがいいサッカーだったか。目に新鮮だったのはどちらか、との視点に立つと、清水に軍配を上げたくなる。
その清水で、西村はスタメンとして活躍。Jリーグ初出場を初先発で飾ることになった。
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