清水エスパルスの攻撃を司る、
20歳で無名の長身MFに目を奪われた
2020年シーズン開幕で見つけた
今季要注目のJリーガー(5)
西村恭史(清水エスパルス/MF)
J1において、テレビ観戦を含め、過去に一度も見たことがない日本人選手は、そう多くはいない。ライターを長く続けていることもあるが、大抵の選手は、これまでにどこかで目にしている。名前さえ聞いたことがない選手となると、これは本当に珍しい話になる。
今季のルヴァンカップ初戦、川崎フロンターレvs清水エスパルスの一戦だった。配布されたスタメン表には、初めて見る名前が載っていた。記者失格と言われそうなので、目を凝らしてみた。
西村恭史――2018年、清水エスパルスに入団。ルヴァンカップにこそ、出場経験はあるが、J1のリーグ戦でピッチに立ったことはなく、2019年夏には、J2のファジアーノ岡山にレンタル移籍している。今季の活躍が期待される西村恭史 だからといって、西村は、J2で十分な経験を積んだうえで、再び清水に戻ってきたわけではない。岡山でも一切、出場機会を得ていないのだ。
J2の舞台でも一度も出場機会を得られず、再びJ1の清水に復帰するや、即スタメンを飾った。
岡山でなぜ、出場機会に恵まれなかったか。その理由は定かではないが、それでいながら、清水に戻るやスタメンを飾った理由には、妥当性を感じる。
身長185cmの、ひょろっとした長身MFは、清水の中で最も目を惹くプレーをしていたからだ。
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