新生アントラーズでキラリ輝く。荒木遼太郎は「ザーゴサッカーの申し子」 (4ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • photo by AFLO


 出場からわずか1分後、チームとして相手をサイドに追い込みボールを奪うと、右サイドからドリブルで仕掛けた荒木はクロスを上げた。得点にはならなかったが、ニアではなく、ファーサイドでフリーになっていたファン・アラーノへと的確につないだ。宮崎での練習試合でも感じられた視野の広さだった。

 後半19分、今度はゴール前から逃げるようにDFのマークを引き離すと、パスを受けてシュートを放った。視野の広さに加えて、やはり感じていた冷静な判断力の賜物だった。

 さらに後半37分、今度は中央で縦パスを引き出すと、ドリブルを仕掛けてゴール前に侵入した。周囲には味方もいただけに、パスを選択することもできたかもしれない。だが、自らボールを運び、シュートで終わった積極性は、もっとも荒木に魅力を感じていた部分でもあった。

 荒木は自身のプレーについて、こう話していた。

「相手にボールを渡してしまうのが本当に嫌なんです。ずっと自分たちで握っていたい感じなので、絶対に自分のところではボールを失いたくないですし、そう思い始めてからはずっと失うようなプレーはあまりしないようにしています」

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