山口蛍は不満なシーズンを経て、今季は「賢く」戦う必要性も説く (3ページ目)

  • 高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa
  • photo by Naoki Nishimura/AFLO SPORT

 でもそれでは、上位に食い込んでいけないというか。近年のJ1はとくに、優勝争いも、残留争いも熾烈で、僅差の争いになっていることを考えても、上位争いに食い込んでいくためには、確実に勝ち点を積み上げていくことが大事になります。

 そのためにも、もう少し賢くシーズンを戦う必要も出てくると思います。たとえば、自分たちの戦い方が安定するまでの序盤戦では、理想のサッカーを追求する以上に、勝ち点を積み上げていくことを考える、というように。

 実際、去年の前半戦の僕たちもそうだったように、どれだけやりたいサッカー、理想とするサッカーがあったとしても、結果がついてこないと、選手は自信をなくしていく一方で、ともすれば、自分たちのサッカーに迷いを生むことにもなりかねない。

 とくに僕たちは、天皇杯こそ獲れたものの、それ以外では何も成し遂げていないと考えても、なおさらそう思います。

 川崎フロンターレや鹿島アントラーズのように毎年、安定して優勝争いに食い込んでいけるチームなら、少々、勝ち点を獲れない時期があっても、クラブに備わる経験値で乗り越えられることもあるかもしれないけど、僕たちはそういう歴史を築いてきたチームではないですから。

 だとすれば、序盤はとくに、1-0で勝っている試合を確実に終わらせるとか、1-1の状況でも......勝てれば理想だけど、展開によっては、引き分けで終わらせるとか。そうやって、確実に勝ち点を積み上げていくことも大事だし、その継続が最終的なチームの結果にも、影響していくんじゃないかと思っています」

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