青山敏弘を救った本田圭佑という良薬。「特別なパワーをもらった」 (3ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • (株)サンエス秋田耕二●撮影 photo by Akita Koji

 逆に今、問題なくプレーできていることが信じられないくらい。うまくいかない時期もあったけれど、それでもうまくいったほうだと思うので、みんなのサポートのおかげですけど、本当に幸運だったなって。

―― 全治がわからないというのは、オペをせずに治療したからだと思います。一方、オペをすれば全治がはっきりわかるけど、今季絶望にもなりかねないわけで、オペをする・しないの判断においても葛藤や迷いはあったのですか?

青山 ひざにメスを入れないで済むならそれが一番だし、チームのメディカルも「オペをしなくても大丈夫だ」と言ってくれたから、「じゃあ、そうしましょう」と。メディカルと自分の意見がマッチしたので、そこの判断はシンプルでしたね。

 メディカルがしっかり判断してくれて、リハビリの時には池田(誠剛フィジカルコーチ)さんが「俺に任せておけ」と言ってくれた。だから、僕は「じゃあ、お願いします!」と、なんの心配もしていませんでしたね。

―― 2月に青山選手に会った時、3月のACLで「本田圭佑選手(当時メルボルン・ビクトリー)に久しぶりに会えるのが楽しみだ」と言っていました。実際に会って、どうでした? 刺激を得られたんじゃないですか?

青山 彼は常にポジティブですよね。チャレンジャーだし。あの頃の自分はくすぶっているというか、どこにもぶつけられない苦しい想いを抱いていましたけど、彼はそれすらパワーに変えてしまうようなところがある。だから、久しぶりに話すことができて、ポジティブなエネルギーをもらったのは確かですね。しかもね、そこら辺にあるようなパワーじゃない。特別なパワーを彼からもらったような気がします。

―― 本田選手もひざの負傷を乗り越えてキャリアを築いてきました。いろいろとアドバイスしてくれたんじゃないかと想像しています。

青山 もらいましたね。彼とは同じ1986年生まれで、この年齢になって、ここからキャリアをどう築いていくか......そこまで大げさなものじゃないですけど、何が必要かとか、いろいろと聞かせてくれて。

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