2019.10.28

混戦のJ1優勝争い。上位陣それぞれの不安材料と理想のシナリオは?

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

福田正博 フットボール原論

■シーズン終盤で、優勝争いが激しさを増しているJ1。ここから抜け出してリーグ制覇を達成するのはどのクラブなのか。元日本代表の福田正博氏が上位クラブそれぞれの展望を考察した。

 今シーズンのJリーグも残すところ、あと5節。今年もまた、優勝争いは最終節まで激しいものになりそうだ。

 第29節を終えた時点で、首位の鹿島アントラーズと2位のFC東京が勝点56で並び、1差で追う3位に横浜F・マリノスがつけている。勝点50の4位にサンフレッチェ広島、勝点49のセレッソ大阪が5位、3連覇を狙う川崎フロンターレは勝点48で6位という状況だ。

現在J1首位の鹿島。リーグ制覇するクラブはどこになるのか ルヴァンカップで優勝した川崎フロンターレは、3連覇が苦しくなってきた。ガンバ大阪と対戦した第28節は先制されながらも、後半に大島僚太の同点弾、レアンドロ・ダミアンの逆転弾でリードを奪ったものの、G大阪の粘りの前に勝ちきれずに2−2の引き分けに終わった。

 この展開こそが、今シーズンの川崎を象徴していたと言ってもいいだろう。G大阪戦を含めた引き分けは12試合。これはJ1でもっとも多い(第29節終了時)。今季はリードを守りきれず、内容は勝点3に限りなく近いものの、実際には勝点1しか手にできなかった試合は数多く、そうして取りこぼした勝点によって、3連覇への視界はかなり悪い。

 ただ、川崎の現状のチーム力は、残り5試合を5戦全勝できるだけのものはある。勝点15を上積みしたとしても、優勝は難しい状況に追い込まれてはいるが、彼らには来季のACL出場権獲得の使命もある。攻撃陣は好調を維持しているのに加え、大島僚太をはじめとした故障者たちも戦線に戻りつつあるため、王者が連勝で意地を見せる可能性は高い。

 川崎は残り5節で広島、鹿島、浦和、横浜FM、札幌と戦うが、川崎よりも上位にいる鹿島、横浜FM、広島にとっては、これ以上に厄介な相手はいない。