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「普通のサッカーって何?」。
ぶれない永井秀樹をネルシーニョが激励 (2ページ目)

  • 会津泰成●文・撮影 text&photo by Aizu Yasunari

 試合後、恩師でもあるネルシーニョから声をかけられたという。

「『すばらしいアイデアとインテリジェンスにあふれたサッカーだと感じました。永井はいい監督になれる才能は持っている。ただ、経験が足りない。これはどの監督にも言えることだが、経験という道は、誰も避けては通れない。永井のこれからの監督人生、わたしも楽しみにしているから、辛抱強く続けてください』と激励していただいた。

 それはうれしかったし、励みにもなった。ネルシーニョさんは今69歳。指導者としては30年以上、監督としても25年も戦い続けてきた。その間には賞賛と同時に、相当批判もされてきたはず。でも、そうやって続けてきた結果、今があるのだなと思えば、『自分が批判されることなんて全然、大したことはない』と考えるようにはしているけどね」

 腫れぼったい目を擦りながら、永井はほんの少し笑顔を見せた。安定した精神状態を保つためにも、勝っても負けてもインターネット等の反響は見ないように意識していると話した。永井も人間。まったく気にならないわけでもないようだ。ただそんな状況でも、選手たちは目先の評価に振り回されず邁進していた。

 ユース監督時代の教え子で、今はトップチームでも欠かせない存在に成長したMF森田晃樹はこう話した。

「ユースとは違い、トップチームではより勝利が求められるので、難しいところはあると思います。でも、僕自身は、ユースでも同じように苦しい時期も経験して、そして、結果がついてきたことも経験しています。今のサッカーを続ける限りは、全員がさらに高い意識で、(永井)監督のやりたいことを理解し、技術を身につける必要があります。僕たち選手が信じられなくなってやめてしまえば、それこそほんとに終わり。今やめたら、来年にも何も残らないと思っています」

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