2019.10.21

「普通のサッカーって何?」。
ぶれない永井秀樹をネルシーニョが激励

  • 会津泰成●文・撮影 text&photo by Aizu Yasunari

永井秀樹 ヴェルディ再建への道
トップチーム監督編(5)

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監督同士として戦ったネルシーニョと永井秀樹恩師・ネルシーニョから
送られた激励の言葉

 9月28日(土)。東京ヴェルディは、J2単独首位を走る柏レイソル相手に0-3で敗れた。前節の大宮アルディージャに続き就任以来初の連敗で、残り試合数から考えて、J1参入戦の6位以内は極めて厳しくなった。

 わずか3日の準備期間で挑んだ7月20日(土)の愛媛FC戦で劇的な逆転勝利を飾って以降、永井は新たな戦術を徐々に浸透させ、勝ち点も積み上げてきた。しかし、新キャプテン渡辺皓太の、横浜F・マリノス電撃移籍。次にキャプテンに指名した藤本寛也のケガによる離脱に始まり、毎試合のように主力が複数欠けるなど、戦術の組み立て以前に、メンバーもまともに組めないでいた。

 永井サッカーで、ひときわ輝きを放っていたレアンドロ、パライバという攻撃の軸をケガで欠いた中での、名伯楽ネルシーニョ率いる首位レイソル戦。それは誰の目から見ても劣勢は明らかで、図らずも、結果だけ見れば予想どおりの敗戦に終わった。

 翌日、永井とヴェルディクラブハウスで待ち合わせをした。今のタイミングでどうしても聞いてみたいことがあったからだ。

「昨晩は一旦クラブに戻って、監督室で午前零時まで試合の映像を見返していた。いつものルーティンだけどね。でも、家に戻ってからもいろいろ考えているうち朝5時になってしまった。7時には起きたから、睡眠時間は2時間かな」

 永井はどんな状況でも結果を求められ、負ければ容赦なく批判にさらされた。そんな日常に嫌気がさしたり、愚痴のひとつもこぼしたくなることはないのだろうか。

「現役選手で長く続けてきた間にも、賞賛と批判の繰り返しの中で生きてきた。そういう意味では、慣れているかもしれない。監督という立場である以上、全責任は自分にあるわけで、応援してくれている人たちからすれば『おまえのせいだ』と批判したくなる気持ちもわからないわけでもない。でもだからといって、監督がへこんでいたらチームは成長しない。『この試練を乗り越え、積み上げていった先に答えが見えてくる』と信じてやっている」