2019.10.05

相棒の藤吉信次はヴェルディ新監督
・永井秀樹の働きをどう見ているか

  • 会津泰成●文・撮影 text&photo by Aizu Yasunari

永井秀樹 ヴェルディ再建への道
トップチーム監督編(4)

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旧知の仲である藤吉信次(左)と永井秀樹(右)は、現在指導者としてともに戦っている26年前は選手として、
今は指導者として支え合う

 今シーズン途中で急遽、トップチーム監督に就任した永井秀樹。課題は山積で日々試行錯誤の連続だが、J1昇格、そしてその先のヴェルディをつくるために思いをひとつにし、支えてくれる仲間がいる。中学時代からの親友で、ヴェルディ黄金期をともに過ごしたヘッドコーチの藤吉信次は、永井にとっては最大の心の拠り所になっている。

 今回は、「ヴェルディ再建」に奔走している永井を取り巻くひとりとして、ともに戦う藤吉に話を聞いた。

「まずは、永井のやりたいサッカーを自分も理解しなければいけない。気を遣うこともないので、疑問に思ったことや聞きたいことはすぐ確認します。永井が集中してチーム作りができる環境を作ることが、自分の仕事。永井が何を求めているのかを理解して、それをまわりに伝えていきたいと考えています」

 練習でも試合でも、監督である永井の隣にはいつも、藤吉がいた。サッカーの現場では「監督」、「ヘッドコーチ」ではなく「永井」、「藤吉」と呼び合い、プライベートでは昔から親しみを込めて「永井さん」、「藤吉さん」と呼び合う。目線を同じくして話すその姿からも強い絆が垣間見えた。

 永井は藤吉について、「藤吉がいなければ、今回の監督就任はさらに困難な挑戦になっていたと思う。藤吉は3年間、トップチームのコーチとしてヴェルディの選手だけでなく、相手チームのことも見て分析してきている。なおかつ10代の頃からの大親友。本当に心強い」と話す。

 試合の緊迫した場面でも、助言を求めれば冷静に意見をしてもらえることで、永井はより覚悟を決めてカードを切ることができている。

 Jリーグが開幕した1993年当時、ふたりは20歳そこそこの若者だった。当時サッカーは純粋にスポーツとして普及していたというよりも、流行りのエンターテインメントという側面も強く、いわゆる「Jリーガー」はタレントのようにも取り上げられた。

 なかでもレギュラーの大半が日本代表経験者で、スター選手が揃っていたヴェルディの人気は別格だった。永井は、アイドルばりの甘いルックスで黄色い声援を浴び、藤吉は、お笑い路線でバラエティ番組にも出演するなどし、全国区の有名人だった。