止まらないトリニータ旋風。
「片野坂流」は愚直でブレない (3ページ目)
ずば抜けた選手がいるわけではない。開幕からゴールを量産した藤本憲明はシーズン途中にヴィッセル神戸に引き抜かれた。得点源のオナイウ阿道は浦和からのレンタル中なため、この試合には出場できなかった。それでも、代わってピッチに立った選手たちが遜色ないプレーを見せて勝利に貢献できるのは、片野坂監督が植えつけた確固たるスタイルがあるからにほかならない。
「内容的にも勝ち点1で終わるか、やられてしまうような展開だったが、選手たちが最後まで粘り強く戦ってくれたご褒美をいただけたのではないかと思います」
ピッチの脇で叫びすぎたのだろう。枯らした声で、片野坂監督は劇的な試合を謙虚に振り返った。
ブレずにやり続けることこそが、このチームの強みである。今季も残り5試合、信じた道を突き進む大分の旋風は、まだ止みそうもない。
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