コンサドーレの小さな巨人、チャナティップが思うタイと日本の相違点

  • 井川洋一●構成・文 text by Igawa Yoichi
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

Why JAPAN? 私が日本でプレーする理由

北海道コンサドーレ札幌 チャナティップ(2)

今年27シーズン目を迎えているJリーグは、現在、じつに多くの国から、さまざまな外国籍選手がやってきてプレーするようになっている。彼らはなぜ日本でのプレーを選んだのか。日本でのサッカーや、日本での生活をどう感じているのか? この連載では、彼らの本音を聞いていく。

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「札幌はすばらしい街だね。都会だけど空気が良くて、しゃれたカフェなんかもあって。休日はカメラを持って出かけて、街の写真を撮ったり、カフェでゆっくりしたりしているよ。ご飯もおいしいよね。好物はジンギスカンです」

日本の生活は快適だと語るチャナティップ日本の生活は快適だと語るチャナティップ 北海道コンサドーレ札幌のチャナティップ・ソングラシンは2年以上を過ごす札幌の街を、「すごく気に入っている」と話す。Jリーグのピッチだけでなく、日本の生活にもすっかり順応した彼は、タイきってのスター選手ながら、普段はとくに華やかな生活を送っているわけではないという。

「日本では快適な生活を送れている。でも生活そのものは、いつも同じサイクルだよ。練習、食事、練習、食事、睡眠、そして試合。この繰り返しだよ。シーズン中の日々にほとんど変化はないんだ。

 オフには時々、ショッピングをしたり、街に出かけたり、カフェラテを飲んだりするくらい。長い休みがないかぎり、遠出をすることもほとんどない。チャナはいつも朝寝坊するから(笑)、誰かと約束して出かけることもないね。大体いつも、通訳の方(ティワーポンさん)と一緒にいるかな。先日、連休に東京へ行ったけど、銀座は買い物するだけで、ものすごく暑かった(笑)」

 時折、自身のことをニックネームで呼ぶお茶目な小兵アタッカーは、日本の生活に不自由を感じていない。ただ時々、ちょっと窮屈に感じることもあると打ち明ける。

「ルールに対して、すこし厳しすぎると思うこともある。時間を守ること、車の運転もすべてきっちりしている。それから、日本人はプライバシーが高いというか、積極的に他人と関わろうとしない人が多いように感じる。ひとり暮らしの人も多いよね。そこはタイと異なるところだ。タイ人は家族と一緒に暮らす人が多いし、みんなで盛り上がるのも好きだから」

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