大分をJ1昇格に導いたトレーニング「ライフキネティック」の可能性 (4ページ目)

  • 佐藤主祥●取材・文・撮影 text & photo by Sato Kazuyoshi

 ライフキネティックはできることをやり続けても意味がない。できないことに挑戦し、成功するまでの"プロセス"に価値がある。高難度のメニューをこなしていくほど、より脳の処理速度が速くなり、判断力が向上。その場の状況に応じたプレーを選択することが可能となる。

 J3のブラウブリッツ秋田から大分に復帰したFW吉平翼は、実際に体験したライフキネティックについて「うまくいかないことが多かった。2つ、3つと動作が重なってくると、やっぱりどれも難しい」と感想を述べ、「世界と日本の差は"判断力"だと日本サッカー協会も公言していましたが、このトレーニングをやっていったらその課題もクリアできるんじゃないかと思います」と、日本サッカー界が次の段階に上がるためのカギになり得るという見解を口にした。

 また、早稲田大学から新入団したGK小島亨介は、「本当に頭と目が疲れるなと感じました。だからこそ、いろんな難しい状況で活かせるんでしょうね」と、ライフキネティックの可能性を見出した。

 6季ぶりにJ1の舞台で戦う大分。1年間、プレーの判断力を鍛えた"ライフキネティック戦士"に13名の新戦力が溶け込んだ時、どのようなサッカーを見せてくれるのだろうか。

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