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FC東京・室屋成は変わった。
「無心」で代表レギュラーの座も狙う (3ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 右サイドバックの選手層に関して、長谷川監督は「キャンプで小川がいいパフォーマンスをしてくれましたし、新加入の中村、アルトゥールも試せたので、だいぶ目処が立ってきたと思っています」と手応えをのぞかせた。

 だが、「もちろん、室屋の域に達するのは難しいですけど」と付け加えることを指揮官は忘れなかった。その言葉には、室屋に対する全幅の信頼が込められていた。

 昨年の8月のことである。FC東京の強化部担当から代表選出を知らされた時、室屋は最初、なんの話かわからなかったという。「あまりに無心すぎて、代表戦があることを知らなかった(笑)」からである。

 しかし、アジアカップが終わった今は、代表への想いが強まっている。沖縄の青空の下、清々しい表情で室屋はきっぱりと言った。

「たしかに想いは強くなったし、試合に出たいと単純に思うようになりました。ベンチにいても仕方がない。やっぱり(代表に)行くからには、ピッチに立ちたい。ピッチに立たなければ、何の意味もないと思うようになりました」

 だが、それもすべてはFC東京でのパフォーマンスと成長次第だということを、室屋は理解している。

「決勝を外から見ていて、(ピッチの)中でやりたいと感じましたけど、やっぱりそこに立てていないという現実がある。だから今は、このチーム(FC東京)で何ができるか、どうやったら成長できるかを考えながら、日々過ごしていかなければならないと思います」

 さらなる成長と、FC東京でのタイトル獲得を目指し、新シーズンも右サイドを無心で駆け抜けるつもりだ。それを実現した時、日本代表での出場機会は自ずと巡ってくるはずだ。

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