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FC東京・室屋成は変わった。
「無心」で代表レギュラーの座も狙う (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 そう心に決めた室屋は、出番のなかったG大阪戦のあとの練習試合で攻め続け、4アシストをマークする。ところが、それでも第6節の長崎戦に向けたトレーニングでは、前日練習までずっとサブ組だった。

「これでも、ないのか......」

 そう落ち込む室屋のもとに、長谷川監督から電話があったのは、試合当日の朝だった。

「健太さんから『やっぱりスタメンで使うことにした』と言われて、急に出ることになって。うれしかったですけど、絶対に結果を残さなあかんなって。そうしたら、長崎戦で自分のやりたいプレーを出せて、アシストまでできた。自分のなかでは「よっしゃー、見たか!」という感じでしたね」

 自信を掴んだ室屋は、第7節の鹿島アントラーズ戦でもスタメンで起用された。そして、55分にあのスーパーゴールが生まれるのだ。自陣深くから走り出し、ハーフウェーラインを越したあたりでボールを受けると一直線にゴールに向かい、ニアサイドの天井を射抜いた、あのダイナミックなゴールが――。

「この試合でも『無心で攻めまくったろう』と思っていて、(永井)謙佑くんが右サイドに流れた瞬間にスペースが空いた。僕はインナーラップが得意なので、そのスペース目掛けて走ったら、謙佑くんがヒールで出してくれて、ワンタッチ目がうまくいったから、そのまま行ったれって。GKに向かって打ち込みました」

 それ以降、負傷や出場停止をのぞいて室屋がスタメンから外れることはなかった。室屋が手にした自信と、無心で臨むスタイルがブレることもなかった。そんな室屋に8月末、吉報が届く。森保ジャパンの初陣のメンバーに選出されたのである。

 新シーズンの沖縄キャンプ。アジアカップで室屋が不在の間、本来は左サイドバックの小川諒也、東福岡高から加入したルーキーの中村拓海、ブラジルからやってきたアルトゥール・シルバらが右サイドバックとして試された。

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