39歳GK南雄太は、「永遠のような
失点のループ」に耐えて進み続ける (4ページ目)
「『45歳までできるよ』なんて言ってくれる人もいて、うれしいけど、『軽く言うなよ』と思います」
南はおどけて言う。
「来年どころか、明日も見えません。この世界、35歳を過ぎると、調子が悪い、というのがないんです。落ちた、劣化した......。だから、ピッチで価値を見せ続けるしかない。1試合ミスなく勝った、その一瞬だけ張り詰めたものを緩められる。でも、自分たちベテランには未来はないと思われているんだから、また次の週から今を戦い続けるしかない」
彼はGKとして今を生きる。永遠のような失点のループに耐えながら。前に一歩進んだとき、それは記憶となる。
「夜遅く、嫁とハイライトは見ましたよ。やっぱり見なきゃ、と思って。試合丸ごとは見返せなかったですけど。あの失点シーンは、お互い沈黙で、しばらく言葉が出なかったです。まだ、何度も思い出すんでしょうね」
南はカラリと言った。横浜FCからの契約更新の打診はすでに受けた。プロ22年目、40歳での戦いへ挑む。
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