2018.12.18

コスパで今季Jリーグを総括。
真の優良クラブはどこだったのか

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

 Jリーグは毎年、各クラブの経営情報を開示している。資金潤沢なクラブ、そうではないクラブは、これに目をやれば一目瞭然。18のクラブが横一線に並んで戦っているわけではないことがわかる。

 昨季J2で2位に入り、今季初めてJ1を戦ったV・ファーレン長崎。2017年の営業収入は11億2000万円だった。今季のJ1リーグを戦った18チームの平均は40億8200万円で、17番目の湘南ベルマーレは15億6600万円だった。長崎の営業収入は際だって低い。

 今季、勝ち点30で最下位に終わり、J2に転落したが、コストパフォーマンスに照らせば悪い話ではない。J2にも営業収入で長崎を上回るクラブは多く、その額はJクラブ全体で30位になる。J1で勝ち点30はむしろ大健闘と称賛されていい。

 だが、監督を務めた高木琢也氏は解任の憂き目に遭った。契約満了に基づく退任という説明だが、これは監督のクビをすげ変えれば解決する問題ではない。「数年でJ1優勝を狙うチームに」と、長崎の髙田明社長は述べたそうだが、そのためには予算規模を示す営業収入を、せめてJ1の平均レベルまで上昇させる必要があるだろう。

前年の営業収入は16位だったにもかかわらず、4位に入ったコンサドーレ札幌 Jリーグの戦いには、成績とは別の視点がある。それぞれの組織の大小と、それに基づくコスパである。こちらの方が重要に思える場面にも多々、遭遇する。だが、視点の9割は成績に頼る現実がある。ひと言でいえば表面的だ。

 余談だが、日本代表の報道もそうだ。テレビから聞こえてくる「森保ジャパンの通算成績はここまで5戦して4勝1分けと好調です」というニュース原稿に対戦相手の情報はない。キルギス、ベネズエラ、ウルグアイ、パナマ、コスタリカ。この5カ国と日本との潜在的な力関係は置き去りにされている。しかもすべてホーム戦だ。負けが許されるのはウルグアイのみだが、そのウルグアイとて人口350万人の小国である。