2018.12.18

転換期のJリーグ。福田正博はクラブの「哲学」と「継続」を評価

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro photo by AFLO

福田正博フォーメーション進化論

 2018シーズンもっとも話題を集め、Jリーグ全体を活性化したクラブは、ヴィッセル神戸と言っても過言はないだろう。

 アンドレス・イニエスタを推定年俸32億円超の3年契約で獲得。W杯ロシア大会でスペイン代表から退いたとはいえ、前シーズンまでバルセロナの第一線でプレーしていたスーパースターの加入には、2017年のルーカス・ポドルスキ以上に驚かされた。

今季、バルセロナからヴィッセル神戸に移籍したイニエスタ さらに2019シーズンからはスペイン代表やバルサでイニエスタと一緒にプレーしたダビド・ビジャが加わる。それだけにとどまらず、今冬の移籍市場ではさまざまな選手の名前が獲得候補として浮上している。契約の問題はセンシティブなものなので本決まりになるまで本当のところはわからないが、ヴィッセル神戸はクオリティーの足りないポジションに、どんどんワールドクラスの選手を獲ってもらいたい。

 こうした補強に「大枚をはたいて…」と揶揄する声もあるようだが、私はそうは思わない。確かに過去にも世界的なビッグネームを獲得したクラブはいくつかあった。ただ、そうしたクラブの目的は、目先の成績や話題性による観客増員という短期的な結果につながるに過ぎなかった。

 しかし、ヴィッセル神戸は長期的なビジョンに立って”哲学”を根付かせようとしている。「バルサ化」を掲げるヴィッセル神戸が、そうしたサッカーをクラブに根付かせようとする本気度の高さは相当なものだ。

 クラブとしてどういうサッカーをやりたいかが明確にあり、それを築き上げていくためにイニエスタやビジャ、フアン・マヌエル・リージョ監督を招き入れた。もちろん、それを可能にする資金力があればこそだが、その使い方が話題性や短期的な強化という目先の結果のためではなく、育成メソッドも含めた長期的視野に立った「バルサ化のため」というのは筋が通った補強で、評価されるべきことだと思う。

 ただ、バルセロナが現在のスタイルを作り上げるために長い年月を要したことを忘れてはいけない。メソッドを持つ監督や選手たちを集めたからといって、1年や2年で簡単に定着するスタイルではない。それがバルセロナのサッカーだ。