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レアルとの対戦を振り返る植田直通。
善戦との評価は「本当に嫌だった」 (6ページ目)

  • 寺野典子●文 text&photo by Terano Noriko

――そして、W杯ロシア大会終了後の7月に移籍。5年半過ごした鹿島アントラーズを離れるというのは......。

「海外移籍できるという嬉しい気持ちと同時に鹿嶋を離れる寂しさが大きかったです。鹿嶋、大好きだったんで、僕は。町もそうだし、チームもそうだし。あんなに居心地のいいところはなかったので。町の人は温かいし、仲のいい人もたくさんいたので。でも、そういう寂しさも含めて、海外移籍なんだなと思っています」

――セルクルでも試合出場時間が増えていますが、監督の信頼を勝ち取ったという手ごたえはありますか?

「うーん。どうですかね。まだまだだと僕は思っています。自分のプレーにもまだ納得していないところがあるので。もっとやらなきゃいけないという想いが強いですね。対戦相手のデータが何もない状態で、どんな選手かなぁというのを確かめながらプレーしなくちゃいけないので。そのうえで、今チームとしてやっていること、やろうとしていることを自分のなかに落とし込んでいる状態で、それを最近やっと自分で表現することができるようになったと思うので、本当にこれからだと考えています」

――欧州のディフェンダーは、まずは1対1勝負が求められ、身体能力の高いFWとの勝負はJリーグとも違うと思うのですが。

「今まで自分がやってきたサッカーとは、全然違うと感じています。今までやってきたセオリーみたいなものを、全部ぶっ壊されたというか。僕が日本でやってきたサッカーを考えると、滅茶苦茶だなというようなこともいっぱいあります。だから、自分のなかで、困惑というか、悩むところもあります。でも、それをやっていかなくちゃいけない。日本と同じじゃなくても、まずはやってみようという気持ちですね。じゃないとここに来た意味がないから」

――自己主張の強い人間が多いでしょうから、文句を言われることも多いんじゃないですか? 言葉ができないと言い返せないから、言われっぱなしになるのでは?

「そうですね。でも、僕は言わせないようにしています。態度で示して。そこが大事だと思います。だから楽しくやっています。キレるし、めっちゃ怒りますから、僕。言葉ができなくても伝わりますよ。それにピッチの上で多少険悪になっても、こっちではそれを引きずることがないので。とにかく、言葉ができなくても主張しないとダメなんです。こっちへ来て、より深く考えないようになりましたね。全部を楽しめるようにしました」

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