レアルとの対戦を振り返る植田直通。善戦との評価は「本当に嫌だった」

  • 寺野典子●文 text&photo by Terano Noriko

遺伝子~鹿島アントラーズ 絶対勝利の哲学~(40
植田直通 前編

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 UAEアルアイン。日中は暑いくらい日差しが強いが、陽が落ちると内陸に位置するアルアインは急激に気温が下がる。12月13日、クラブW杯を準々決勝から戦う鹿島アントラーズはキックオフの時間に合わせた夕刻、市内でトレーニングを行った。

「昨日、初めてこっちで練習したときは、『空気が乾いているな』とか、日本とは違う感覚があった。こういうのは久しぶりだね」

 今季ACLでのアウェー戦での帯同がなかった内田篤人は久しぶりの国外ゲームを前にその違いについて語っている。シャルケ時代には毎シーズンのようにチャンピオンズリーグや欧州リーグなどクラブでの国際試合を経験している男は、初戦の重要性を認めながらも、今大会の特長を踏まえて話す。

「どんな大会でも初戦は重要。W杯(ロシア大会)でも(初戦の)コロンビア戦に勝ったことで勢いに乗れた部分はあったはずだから。でもそれは、グループリーグでの話。今回はトーナメントだからね。すべての試合を決勝戦のつもりで戦わなくちゃいけない」

 現地時間12月15日、鹿島は初戦でメキシコの名門クラブ・グアダラハラと対戦する。

「メキシコのチームと戦ったことはないけれど、上手い選手は多いはず。今大会には、力的に考えて、俺らよりも下のチームはいないから」と言う。「いつも通りにやるだけ」と平常心の重要性を口にしながら、警戒心、危機感は失ってはいない。それでも若手の活躍を促したあと「うちらは挑戦者だから」とも話した。

「あとは怪我をしないことだよね」

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