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トーレスだけじゃない。異色のMF
加藤恒平は、鳥栖巻き返しのキーマン (5ページ目)

  • 栗田シメイ●文・写真 text & photo by Kurita Simei

――少し先の話になりますが、今後、どのようなキャリアをイメージしているのでしょうか。

「今は鳥栖でのプレーに100%集中できている状態です。鳥栖で活躍し、成長しないとその先はない。今やるべきことを真摯にやって、その先に選択肢が生まれればいいと考えています。CLを目標にするなら、欧州の5大リーグ以外の上位チームも、選択肢として魅力がある。これは僕に限ったことではなく、日本人選手にとってという意味です。

 実際、2016-2017シーズンのCLでは、ブルガリアのルドゴレツ・ラズグラドがアーセナルやパリ・サンジェルマンといった"メガクラブ"に善戦して評価された。そういったクラブの細かい情報は日本に入りにくいですが、そこにも選択肢があることを多くの日本人に知ってほしいと強く思います。監督、国、クラブによって選手の評価は180度変わるし、今の評価だけで自分の可能性を決めつけてしまうのは本当にもったいない。実際に僕よりうまい選手でプロになれなかった選手は山ほどいる。僕の場合は、あきらめが悪く、粘ったからこその結果ですから」

――加藤さんの場合は、引退後も少し異なるキャリアプランを描ける気もします。

「自分にしかできないことは絶対あるとは思いますが、それが何なのか今はわからない。これまでにプレーしてきたクラブにも、『戻ってきてほしい』と言ってくれる人がいて、それは本当にありがたいことです。しかし、将来のことを考えて今を疎かにしたら意味がないし、必ず後悔する。僕は、『明日サッカー生命が終わるかもしれない』と危機感を持って毎日を過ごしていますし、常にベストを尽くしてきたつもりです。

 加藤恒平という名前を聞いて、『うまい選手』というイメージを持たれたいと思ったことは一度もない。『常に100%で、真面目に泥臭く、やるべきことをやっている選手』と思ってもらえたらうれしいですね」

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