秋田豊が語る鹿島の紅白戦。「勢いある若手は、とことんぶっ叩く!」 (5ページ目)
――そういう厳しさのなかで若手が育っていくのですね。
「鹿島というクラブは、ただうまい選手だから獲得するということがない。もちろん、ポテンシャルも見ているけれど、同時にやっぱり強いメンタリティーを持った選手を選んでいる。その軸がブレなかったから、選手が伸びることができたんだと思うんです。
いろんな選手がいるなかで、『いい選手だけど、鹿島には合わない』という選手もいるから。トレーニングに対する向き合い方、質の高い練習ができるのかは重要です。鹿島のトレーニングの質と量を消化できるのか。しっかり練習できる選手に対しては、スタッフもクラブも寛大な気持ちで見てくれるというのは、僕自身、選手としてすごく感じましたね。たとえば(鈴木)隆行なんて、高卒で入ってきたときは、何の怖さもない選手だったんですよ」
――同世代のFWには柳沢敦さんや平瀬智行さんなど、高校選手権のヒーローがいましたしね。鈴木さんはブラジルへ留学したり、レンタルでジェフ市原(当時)へ行ったり。
「そうやって時間と機会を与えながら、最終的にはワールドカップ(2002年、日韓大会ベルギー戦)でゴールを決める選手になれたんだから。18、19歳の頃はそんなこと想像もできなかった(笑)。だから、鹿島というのは、不思議なクラブで、きちんと、真摯にサッカーと向き合っていれば、成長できる場所なんです」
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