あのストイコビッチがベンゲル就任に興奮。「素晴らしい監督だよ!」 (4ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi

 練習の段取りはしっかりとオーガナイズされ、流れるようにメニューが移っていく。小倉隆史は、それに心地よさを感じていたという。

「練習内容で印象的だったのは、ワンタッチのゲーム形式です。その他の練習も短時間に凝縮されていて、すごく効率的でした。キャンプだからといって負荷を強くかけるわけでもないから、浅野(哲也)さんが不安がっていたのを覚えています。例年のような筋肉痛がなかったですからね」

 平野によれば、動き方を体に覚えさせるためのパターン練習が多かったが、同じメニューは1度たりともなかったという。

「それはキャンプだけじゃなくて、シーズンを通してですね。人を変えたり、サポートやパスの角度を変えたり、ルールを変えたりして飽きさせないんです。だから体よりも頭がすごく疲れた。特に、僕はそれまで勢いでやってきたタイプでしたから、大変でしたよ」

 1月30日には新外国人選手であるジェラール・パシと新コーチのボロ・プリモラツが来日し、2月2日には同じく新戦力のフランク・デュリックスとトーレスがチームに合流した。

 元ブラジル代表の名センターバックであるカルロス・アルベルトを父に持つトーレスは、ベンゲル自ら映像で確認し、獲得を熱望したDFだった。

 パシとデュリックスはともにフランス代表クラスのMFで、EURO1988の予選などで活躍したパシはゲームを組み立てられるクリエイティブなタイプ。対してデュリックスは、代表キャップこそないものの、ダイナミックな展開力が魅力のボランチでASカンヌではキャプテンを務めていた。

 3人は沖縄キャンプから合流したが、中西がそのレベルの高さに気づくのに時間はかからなかった。

「まだ不慣れなところもありましたけど、明らかにうまいし、サッカーインテリジェンスも高いなと。彼らはベンゲルが望んで獲得した選手たちですから、ベンゲルの目の確かさを感じて、信頼が高まりましたね」

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