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さらば石川直宏。「ケガだらけの
サッカー人生」をポジティブに終える (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 松岡健三郎/アフロ●写真 photo by Matsuoka Kenzaburo/AFLO

 そう語る石川のプレーが、観る人に感動を与えたのは必然だった。最後のゲームでも、引退を決めた選手とは思えない動きを見せている。その一挙手一投足が、観客を熱くさせた。

「プロってなんだろうって思うんですよ。自分よりも、うまい選手は周りにいました。生きるか死ぬか、というギラついたものかもしれませんね。プロとして、その思いを乗せたプレーができるか」

 石川の生き方はプレーに表出していた。

 ケガで苦しみ、もがく姿よりも、そこから立ち上がり、這い上がろうとする不屈な姿のほうが記憶に残るのだろう。いや、それすら忘れられるのか。閃光のような突破だけが思い出される日が来るのかもしれない。

 18シーズン、プロフェッショナルとして戦い続けた男は翼をたたんだ。

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