2017.12.28

さらば石川直宏。「ケガだらけの
サッカー人生」をポジティブに終える

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 松岡健三郎/アフロ●写真 photo by Matsuoka Kenzaburo/AFLO

「ケガのまま終わり、というのは嫌なんです。自分らしい姿を見せたい。それは周りにも、自分に対しても……。自分だからこそ見える世界を見たい。出し尽くして意地を見せます!」

 石川直宏(36歳)はラストマッチを前にそう語っていた。18シーズンに及ぶプロサッカー選手人生の終焉。簡単には言い表せない感慨があったはずだ。

J3最終節セレッソ大阪U-23戦で、最後の雄姿を見せた石川直宏(FC東京) 2017年12月2日、石川はJ1最終節で久しぶりに味の素スタジアムのピッチに立っている。その鋭い動きは集まった観衆を沸かせた。オフサイドになったものの、一瞬で裏を取ったシーンは彼らしかった。さらに翌日にはJ3の試合でも交代で出場し、勝利につながる得点機を作っている。

 石川は意地を見せたのだ。

「最後にいろいろと見ることができましたね」

 そう語る彼にとって、万感のラストマッチだった。18シーズンの格闘とは、いかなるものだったのか?

 石川はタッチラインでボールを受ける瞬間、背中で翼を広げる錯覚を与えるアタッカーだった。スピードに乗って、斬り込むように敵陣に迫る。あるいは、ゴールに向かって放たれる矢のようにも見えた。