鳥栖のイタリア流「論理のサッカー」は、ユン時代より強くなったのか (2ページ目)
「今日は相手を考えて、最初からスピードのある選手でいこう、ということでした」(鳥栖・豊田陽平)
豊田に代わって先発に抜擢された田川が躍動。狙い通り、電光石火の先制点となった。
その後、鳥栖はリトリートし、浦和の攻撃に耐える時間が続いた。もっとも、決定機はほぼ作らせていない。集中して守ることで、わずかながら相手の精度を狂わせ、危険なゾーンへの侵入を許さなかった。
2分には、左サイドに流れた田川がそのスピードと仕掛けで攪乱し、小野がポストに当てるシュートを放っている。34分には敵陣でパスカットし、田川が落とし、それを持ち込んだ原川力がやはりポストを叩いた。スペースを突くカウンターは効果的だった。
「浦和は誰が出る?」
フィッカデンティ監督はそれを研究し尽くしたと言うが、リアクション戦術は的中していた。
しかし、後半になると様相は変わる。攻められる時間はさほど変わらなかったが、攻め手がなくなってしまう。それによって、攻撃を受け止め切れなくなった。
「外のところで仕掛けてクロスを入れていく、その中でズラタンを入れて。ゴールに向かっていける選手を投入し、打開する意図がありました」(浦和・堀孝史監督)
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