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鳥栖のイタリア流「論理のサッカー」は、
ユン時代より強くなったのか (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

 浦和は3-3-4という超攻撃的な布陣で、5-4-1で籠城戦を決め込んだ鳥栖を攻め立てている。そして74分、右CKからマウリシオがヘッドで同点弾を沈めた。

「逃げ切れるか、という時間が長かったことで、メンタル的に後ろが重くなってしまった。前半に2本ポストを叩いたが、リードを広げられたらベストだったろう。攻撃に関しては、90分カウンターをやりきる体力が足りなかったが、浦和を相手に準備も含め、やるべき戦いをできた」(鳥栖・フィッカデンティ監督)

 80分、鳥栖は最後の力を振り絞るようなカウンターを放っている。相手のFKをストップしたGK権田修一が前線にパントキック。これを浦和の選手が中途半端に後ろに流してしまい、それに反応していた田川が出てきたGKの鼻先で合わせ、ネットを揺らした。絵に描いたような速攻だった。

 しかし、その後も鳥栖はライン全体が下がりすぎて、自由にボールを持たれ、クロスを入れられる。「浦和は精度の高いクロスを早めに入れてくる」と、今や多くのクラブが浦和対策を練っているが、鳥栖は"やらずもがな"の機会を与えてしまった。

 85分、浦和はセンターバックの遠藤航が右サイドの奥まで張り出す。ほぼフリーでアーリークロスを入れると、これを中央で武藤雄樹がヘディングで叩く。一度はGKに防がれたものの、ファンブルしたボールを詰めた。

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