大迫勇也の代役に浮上。何がセレッソ杉本健勇のスイッチを入れたのか (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 杉本は過去、J1での最多得点は6点。19歳でリオ五輪代表に選ばれ、大器と言われながらも、その本領を見せてこなかった。昨シーズンはJ2で14得点したものの、伸び悩んでいた。

 その変化のスイッチは、それほど複雑な場所に隠れていたわけではない。

「得点が取れるポジションを取れ!」

 今シーズンからセレッソを率いるようになったユン監督は、ストライカーとしての杉本にプライオリティを与えた。これによって、ゴールに向かってプレーの迫力が増大。シンプルに結果につながった。

 杉本は器用なところのある選手である。シュートだけでなく、ドリブル、パスなど技術レベルが高い。視野も広く、身体能力も非凡なものがある。ポストワーカーとして前線で体を張れるし、サイドに流れて起点にもなれる。

「男気がある選手」

 チームメイトたちは言う。自己犠牲も厭わず、ユース時代は、試合の流れによってはセンターバックをすることもあった。

 万能に映るだけに、杉本は多くの仕事を求められすぎたのだろう。

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