堀監督のエッセンスを見事にブレンド。「守れる浦和レッズ」が誕生

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • photo by AFLO

 スコアは2-1の接戦だっただけに、手放しで喜べるほどの快勝ではなかったが、浦和レッズは着実に、それでいて明らかに前進している。試合後に語ったFW武藤雄樹の言葉を聞いて、そう確信した。

ペトロヴィッチ解任を受けてレッズを率いることになった堀孝史監督ペトロヴィッチ解任を受けてレッズを率いることになった堀孝史監督「(相手のシュートが)ポストに当たったりとピンチはありましたけど、自分たちとしては守り切ろうと思って守り切っている。問題がないとは言わないですけど、(押し込まれて)バタバタしていたわけではないですし、堀(孝史)さん(が監督)になってから少しずつできるようになっているところかなと思います」

 関東地方を襲った雷雨の影響により、キックオフが1時間も遅れて始まった一戦で、最初に主導権を握ったのはホームの浦和ではなく、FC東京だった。

 3-1-4-2システムに変更してから公式戦5試合無敗のFC東京は、FW前田遼一、FW大久保嘉人という歴代Jリーグ得点王を並べる2トップを中心に浦和を押し込んだ。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督が率いていた以前の浦和なら、その圧力に対して自分たちも攻撃に打って出ることで跳ね返そうとしていただろう。

 ところが、堀監督が率いるようになってリーグ戦3試合目を迎えた浦和は違った。DFマウリシオの加入により、右ストッパーで出場したDF遠藤航が言う。

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