注目のポドルスキはスタッフも面白い。専属通訳の破天荒なサッカー人生 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko 原悦生●写真 photo by Hara Etsuo

「おそらくは、遠い日本で身の回りの世話までを託さなくてはならないことから、人物として信頼できるか、見極められたんだと思う」(村上氏)

 今回の日本移籍に関するポドルスキの本気度が伝わってくるエピソードではないだろうか。

 ところで、そんな村上氏のここまでの歩みは、ちょっと想像を絶するものがある。まず2002年、大学3年のときにブラジルでのプレーを目指して現地に渡った。パラナ州のクラブと契約まであと一歩のところまでこぎつけるも、ビザの関係で断念。もともとは欧州でのプレーを目指していた村上氏は、その後周遊チケットを利用してイタリアとドイツに渡る。ドイツではトライアルを受けてザールブリュッケン(当時は3部相当)のツヴァイテ(2軍)への入団許可を得るが、代理人に不当な金額を要求され断念、いったん帰国した。

 帰国後はサッカーと並行してプレデターフットサルクラブ(バルドラール浦安の前身)でプレー。フットサルで代表を目指そうかというほどのめり込んだが、04年6月からはアルビレックス新潟シンガポールに2シーズン在籍。その後、ローカルのクラブを3つほど渡り歩いた。

 09年の夏、当時の代理人がイングランド人だったことから、南アフリカへの移籍話が浮上した。ほとんど情報のなかった南アフリカだが、まずは練習参加で単身乗り込んだ。現地で見たものは、逆に衝撃的だったという。

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