17歳で日本代表・市川大祐の回顧「初の日韓戦で息苦しさを感じた」 (3ページ目)

  • 望月文夫●取材・構成 text by Mochizuki Fumio
  • 長江由美子●撮影 photo by Nagae Yumiko

「キャンプに呼ばれたことで、トップチーム定着へと一歩前に進んだ気はしましたね。まだまだトップレベルには程遠いとは思いながらも、漠然とリーグ開幕戦での先発出場に照準を合わせました。結果、リーグ開幕戦に先発できたのですが、実は試合1週間前に監督室に呼ばれて、『先発でいくぞ』と言われていたんですよ。でも、その事実は誰にも言えなかったですね。親にも、ですよ。誰かに言ったら先発がなくなる気がして(笑)。

 先発はしましたけど、同じポジションにいた日本代表のDF安藤正裕さんよりも高く評価されたという意識はまったくなかったです。ポジションを勝ち取ったという感覚もなかった。それでも、大事な開幕戦で使ってもらったことがすごく自信になりました。そして、続く第2節の京都サンガ戦も先発出場。後半に交代したんですが、札幌戦よりも『いいプレーができた』と思って、ますます自信が深まりました」

――開幕戦の先発以上の驚きがあったのは、この直後ですね。17歳ながら、日本代表に初招集されました。ご自身もかなり驚かれたのではないですか。

「チームスタッフから『代表に入ったよ』と電話があって、思わず『何の代表ですか?』と聞き返すと、『フル代表だよ』と。うれしいというより、とにかくビックリでしたよ。トップチームの試合にまだ2試合しか出場がないわけですよ。フル出場もしていなければ、すごく活躍したわけでもない。『何で自分なんですか?』と思いますよね」

――そこから大騒動となったわけですが、周囲の反応をどう見ていましたか。

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