17歳で日本代表・市川大祐の回顧「初の日韓戦で息苦しさを感じた」
2016年引退特集(2)
「自らを失わなかったスター」市川大祐(後編)
2016年シーズン、JFLのヴァンラーレ八戸でプレーしていた市川大祐(36歳)が今季限りの引退を決めた。1998年の日韓戦で「17歳322日」という最年少記録で日本代表デビューし、以降、2002年日韓共催W杯に出場するなど、表舞台で脚光を浴びてきた大型サイドバック。だがその間、ケガに悩まされるなど、知られざる苦悩も味わってきた。現役を退いた今、悲喜こもごもあったサッカー人生を振り返る――。
17歳で日本代表入りし、波乱万丈のサッカー人生を送ってきた市川大祐――サッカー人生の中でもっとも印象に残っていること、真っ先に浮かぶのはどのシーンですか。
「清水エスパルスのユースに所属していた高校2年生のときの、1997年12月。天皇杯3回戦の福島FC戦で初めてトップチームに招集され、わずか6分ですが、その試合に出場できたことです。その後のサッカー人生を、大きく左右する転機となった出来事でした。
試合の前日、いつものようにユースでの練習を終えて家に帰ると、『明日の天皇杯メンバーに入ったよ』とトップチームのスタッフから電話がありました。普通はメンバーに入れば、前日練習から合流するんですが、それもなく突然の招集だったので、ビックリしたのとうれしさとで、ちょっと舞い上がってしまいましたね。電話を切ると、いても立ってもいられず、家の近所をランニングしました(笑)」
――突然の招集には、何か特別な要因があったのでしょうか。
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