Jリーグも捨てたもんじゃない。浦和×川崎Fが見せた極上のサッカー

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 日本代表がオマーンとの親善試合に臨んだ翌日、ひっそりと行なわれた感のある天皇杯4回戦。だが、試合は意外なほど熱を帯び、掛け値なしの好ゲームが展開された。

 さすがは今季J1で年間勝ち点のトップを争った、浦和レッズ川崎フロンターレの直接対決である。

ハイレベルな戦いを見せた川崎フロンターレと浦和レッズハイレベルな戦いを見せた川崎フロンターレと浦和レッズ 結果から言えば、浦和が3度リードし、川崎が3度追いつく点の取り合いの末、PK戦決着(4-1)で川崎が準々決勝進出を決めた。

 とはいえ、この際、結果はあまり問題ではない。両チームが3点ずつを取り合う試合展開はそれなりに劇的だったが、この試合が面白かったゆえんは、やはり試合内容にある。

 両チームはどちらも、自らボールを保持して攻撃を組み立てることを得意とする。J1のリーグ戦を見ても、ボールポゼッションで主導権を握り、相手を圧倒してきた。その結果が、浦和は年間勝ち点1位であり、川崎は同2位である。

 だが、互いに相手のよさをわかっているからこそ、プレスをかけ合った。守備のときには引いて構えて、楽に相手にボールを持たせるのではなく、積極的にボールを奪いに出たわけだ。

 ボールを持つ側も、それに応えるようにロングボールで安易に逃げず、あくまでもパスをつないで攻撃を組み立てようとした。両チームとも攻撃から守備への切り替えもまた速く、奪ったボールを簡単にはつながせてくれなかった。

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