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モーツァルトを聴き叩き込む。
サガン豊田陽平が語る奥深いゴールの極意 (8ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by AFLO

 豊田の解説は論理的である。それが、得点を獲り続けられる理由だろう。もっとも、論理で抽出された感覚の部分こそが、彼の最大の武器であるとも言える。

 試合前のアップ、豊田が全体練習に入る前、必ず聞く音楽がある。モーツァルトの名曲集だ。ヘッドフォンでアルバムからランダムに聴く。きっかけは忘れたし、効用も忘れたが、試合前に聴くといい緊張状態になる。

「僕は音楽にこだわりがなくて、iPodも嫁が昔使っていたのをもらったほどなんです。ジャンルも邦楽、洋楽と関係なく、アーチストも名前はあまり知りません。ただ、詩よりも曲の感じが好きですかね。聴いてたまたまいい曲だったら、それがいい曲。モーツァルトも適当に曲が多く入っているアルバムを購入し、聴いていまよ。ト短調だか、なんだか、たくさんあって、ひとつも曲名は知らないんですが(笑)」

 モーツァルトは心が湧き立つような、華やかで明るい曲調が多い。その調べに乗ってゴールを叩き込む――。それはもはや壮大な詩である。

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