好調の川崎、出遅れた広島とG大阪。Jリーグ再開後を福田正博が分析 (4ページ目)
優勝候補の浦和と鹿島が前評判通りの戦いで2位、3位につけているのに対し、昨季王者の広島(1勝2分1敗)と、天皇杯王者のG大阪(2勝2敗)は、まだ本領発揮には至っていない。
11位の広島の場合、移動距離の増大にともなう疲労蓄積、7位のG大阪は宇佐美貴史の調子が上がらないことが影響している部分がある。広島はリーグ戦でも他クラブよりも長い移動距離を強いられるのに加え、今季はACLも戦っている。海外に行くときも広島から関西空港や福岡空港へ移動してからの長旅となる。こうした疲労が選手に少なからず影響を及ぼしている可能性は否めない。
G大阪は、宇佐美が昨季のキレを取り戻せていないことで、攻撃陣が本来の力を発揮できていない。宇佐美は招集された3月24日の日本代表戦で出番が与えられず、昨年から続いていた代表戦の連続出場が途絶えた。これを発奮材料にし、G大阪でも本来の輝きを取り戻してもらいたい。
両チームとも地力の高さに加え、昨年も1stステージは尻上がりに調子を上げていったことを考えると、ここから本来の実力を見せてくれるはずだ。
Jリーグは4月1日(金)から再開する。各チームともにW杯アジア2次予選の中断期間に、序盤で浮き彫りになった課題を修正してくるはずだが、長いシーズンはまだ始まったばかり。実力差が大きくないJリーグだけに、どのチームにも上位に躍り出るチャンスはある。果たしてどこが調子の波をつかまえて混戦を抜け出すのか目が離せない。
著者プロフィール
福田正博 (ふくだ・まさひろ)
1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。
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