好調の川崎、出遅れた広島とG大阪。Jリーグ再開後を福田正博が分析
Jリーグ1stステージの開幕から約1カ月。第4節までの各チームの戦いを振り返ってみたい。
川崎フロンターレの中心として活躍している大久保嘉人と中村憲剛 圧倒的な攻撃力で、開幕ダッシュに成功したのが川崎だ。3勝1分け、勝ち点10で7年ぶりに首位に立っている。
開幕戦は昨季王者・広島のホームに乗り込んで1−0で勝利。開幕前にキャンプ地を訪れた時に、風間八宏監督が「就任5年目で守備の練習に力を入れている」と話していた成果の出た試合になった。
しかし、その後は課題の守備で脆さを露呈。湘南戦は4失点(4−4の引き分け)、名古屋戦は2失点(3−2で勝利)。失点の原因は明確だ。川崎が相手を一方的に押し込む試合展開になったことにある。
川崎はDFラインにも攻撃面に特長を持つ選手を揃えるため、相手を押し込むと自陣にスペースが生まれる。そして、リスクを冒して両SBが高い位置を取り、中村憲剛、大島僚太の両ボランチは、リスクマネジメントをするよりも、攻撃的なプレーを選択する傾向が強い。そのため、湘南のようにボールを奪うと選手が一気にスペースに向けて走り出すチームや、永井謙佑というスピードを武器にする選手がいる名古屋相手には、つけ込まれやすいといえる。
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著者プロフィール
福田正博 (ふくだ・まさひろ)
1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。