好調の川崎、出遅れた広島とG大阪。Jリーグ再開後を福田正博が分析 (2ページ目)
ただ、これは川崎が自分たちのスタイルを貫くためには、避けられない部分でもある。相手陣内に押し込んで攻撃し、ボールを奪われたら高い位置からプレッシャーをかけて再度ボールを奪う。この理想を言葉にするのは簡単だが、世界中を見渡してもこうしたサッカーを具現化できているのは、世界トップレベルの選手を揃えるバルセロナやバイエルンなど、わずかしかない。
だからこそ、攻撃的なスタイルでファンを魅了するJリーグで稀有な存在の川崎には、4--0で勝利した第4節の甲府戦のように、今後も持ち味の攻撃力で相手を圧倒しながらリーグ戦を突き進んでもらいたい。
また、2勝1分1敗の4位と幸先良いスタートを切った名古屋は、開幕前は降格争いに巻き込まれる可能性もあると見ていた。小倉隆史監督が監督就任会見時、理想とするスタイルを詳細に語ったことで、シーズンが始まってもそれに縛られたら苦しむと考えたからだ。
しかし、蓋を開けてみれば小倉監督はリアリストの戦い方に徹している。守備を自陣で固めて、ボールを奪うと1トップのシモビッチの高さを狙ったクロスや、永井のスピードでゴールに迫って勝ち点を積み上げている。再開後も結果にこだわった戦い方を続けていき、理想とするスタイルの構築は勝ち点に余裕が生まれてから少しずつ取り組んでいってもらいたい。
その名古屋に開幕戦で敗れた磐田は、1勝2分1敗で12位につけているが、開幕前にコンディションが不安視されたFWジェイが、本来の力を発揮しつつある。ジェイのフィジカルが万全な状態になれば、Jリーグで戦う外国人選手のなかでは格が違うだけに、今後の磐田の戦いは楽しみである。
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