反省が前提です。サガン鳥栖・豊田陽平が語る今シーズンの裏側 (6ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 田村翔/アフロスポーツ●写真

 後半20分にはPKで先制点を決められて窮地に立つが、後半32分に豊田がヘディングで完全に競り勝ち、ゴール前に落とすと、走り込んだ谷口博之が鮮やかに合わせた。マーカーの飯田真輝はJリーグを代表するストロングヘッダーの一人だが、豊田は格の違いを見せている。幸いにも休んでいたことで筋肉疲労が取れ、連戦を戦う相手より有利な実感があった。疲労が重なると、跳べなくなるのだ。

 そして同点に追いついた10分後だった。水沼宏太からのパスをエリア内で受けた豊田は半身でコントロールしつつ、足の裏でリターン、それを走り込んだ水沼がゴールネットに蹴り込んだ。

 2-1の勝利を収めた鳥栖は、J1残留が決まった。

「まあ、反省が前提のシーズンですよね。結局、自分が怪我をしたら、個人タイトルはもちろん、チームタイトルもとれない。それを改めて実感しました」

 豊田は言葉に実感を込めるのだった。
(続く)

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