連覇時より強い。年間1位のサンフレッチェ「変幻自在の攻撃力」 (2ページ目)
先制点は前半24分、DF塩谷司が前線にロングフィードを送ると、右サイドのスペースを抜け出したミキッチが絶妙な切り返しを見せて、中央へリターン。走り込んできたドウグラスがうまくゴールへ流し込んだ。
2点目は、先制点からわずか1分後、MF青山敏弘が豪快なミドルシュートを決めた。続く3点目は42分、中盤でのパス交換からMF清水航平が左サイドをドリブルで突破し、ファーサイドに上げたクロスを佐藤が頭で押し込んだ。
4点目もお膳立ては清水だった。後半27分、清水のクロスから、今度はドウグラスが鮮やかなヘディングシュートを決めた。そして、5点目は試合終了間際の後半44分、塩谷が自陣で奪ったボールを途中出場のMF柏好文に展開。そのまま右サイドを駆け上がった柏から、最後はグラウンダーのパスを受けたドウグラスが強烈なシュートを放ってゴールネットを揺らした。
1点目と5点目は鮮やかな速攻から、3点目と4点目は細かいパス交換を駆使しての遅攻からと、バリエーションに富んだゴールを連発した広島。しかしそのすべてが、かつて広島の代名詞でもあった、前線の選手たちによる"コンビネーション"から生まれたゴールではない。中央でのパスワークから奪った得点はひとつもなく、いずれもサイドからの崩しによるものだった。そこに、今季の広島の変化と進化がある。
変化の要因は、昨年まで主力だったMF高萩洋次郎とMF石原直樹が移籍したことにある。そのため、攻撃のスタイルは否応なく変えざるを得なかった。森保監督が語る。
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